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楽園の扉

  • 執筆者の写真: ogaruchacco
    ogaruchacco
  • 2021年12月15日
  • 読了時間: 2分

兄の遺稿第2弾!「楽園の扉


ローカルテレビ局「やまなみテレビ」のディレクター・江戸川和久は、ニュース特集「過疎からの脱却」の取材で神嶽村を訪れる。嶽野原町の一部である神嶽村の人口は、町の人口減少に反して増加を示していた。インタビューによって江戸川は、痩身の青年・深山森一郎が個人の力で村を変革していることを知る。


村では、エネルギー及び食糧の自給自足体制がほぼ確立されていた。その要となる太陽光発電パネルは新型で、深山が開発したものだという。深山は同時に、ホームレスや家出した若者などを村人として迎え入れていた。だが、そこには基準がある。深山が「シルシ」と呼ぶものを持った者だけが対象者とされていたのだ。


取材後、江戸川は深山が突然消えるところを目撃する。村人の中では常識となっていたが、深山は「向こう側」と呼ばれる場所へ行けるのだという。向こう側へはある条件を満たした人間だけが行けるのだと深山は説いていた。

興味を抱いた江戸川は取材を続行。これまではずれたことがないという気象に関する深山の予言、向こう側へ行けるようになった時に光るという光り珠なる小型の装置、深山とともに三人が向こう側へ消えていくというスクープ映像を撮影する。向こう側へ行った三人の中には、光り珠の製造を請け負った川原精機の新入社員・佐藤哲生がいた。彼もまた深山同様、人類の未来に関するキーパーソンなのだ。


その後、深山が向こう側から持ち帰った植物のDNAが地球上に存在しないものであることが判明し、向こう側なる場所の実在が証明される。それら一連のニュースは国内外で放送され、大きた反響を呼んだ。そして哲生の向こう側からの帰還が生中継されると、そのインタビューから、向こう側は以後「楽園」と呼ばれるようになるのである。

深山は、地球温暖化はすでに危険な状態にまで進んでおり、世界経済の縮小を伴う温室効果ガスの劇的削減を行わなければならないと主張していた。だが、深山がいくら主張したところで温暖化対策は一向に進まない。世界的に異常気象が頻発していく中で、ただ深山の予言だけが次々と的中し続けるのだ。そんな中、哲生は深山とその協力者・向田とともに行動しながら、楽園の秘密を知ることになる。


やがて温暖化の影が食糧危機という形で忍び寄った時、深山は殺されてしまう。

悪化の一途を辿る地球環境。食糧危機とそれに伴う経済状況の悪化。その中で、深山の計画の本当の意味を知った深山を継ぐ者・哲生は、何を決断するのか。

 
 
 

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